Fate/stay night [TYPE-MOON]

「月姫」で有名になったメーカー。Fateはその世界観と同じ次元に存在するようだ。月姫は異色なタイトルだったから、Fateになんとなく期待をしていた。
いや、それにしても相変わらず文章、長い。膨大。文庫にしたらいったいどのぐらいの厚さの本になるのだろうか。
とにかく長い。ちょっと読むのに忍耐力と、正直体力も要る。

実はFateは、ゲームとほぼ同時進行でアニメを観てしまっていた。だから大体どのように進めばバッドエンドにならないのかわかってしまっていた。お陰でタイガー道場にはほとんど世話にならなかった。
しかし戦闘シーンとかたくさんあるのに、いったいどうやってゲームで実現するのかと思ったんだけど、いやあ、すごいね。戦闘、すごい迫力がある。文章力と、効果音、そしてあの動きのない画像だけで、よくもこれだけ描写できるもんだと、ホント感心した。

文章が信じられないぐらいたくさんあるだけあって、ストーリーも半端じゃなく壮大だ。なに、メデューサだ?ヘラクレスだ?ギルガメシュだ?そしてあのセイバーの剣でまさか、とは思ってたんだけど、そのまさかだった。なにい?アーサー王だあ?いや、まあ、よくもまあ・・。って感じ。(笑
でも最高に面白かったですね。ちょっと不満もありますが。それは後ほど。

アーサー王伝説にはもともと少なからず関心があったし、うま~くその伝説を利用したこの物語に、結構脱帽です。アーサー王は本当に聖杯を探してたそうだしね。
それに「アーサー王」という人物は実はいなくて、複数の勇者の伝説が後に一人の人物像に結集され、「アーサー王」になったとも考えられているらしい。そんな予備知識があったから、セイバーがその勇者の一人だったかもな、と自分で納得することもできた。

素朴な疑問。
なぜ皆、日本語話せるの?

「召喚される前に予備知識を与えられる」という説明があるけど、それってなんか、しっくりこないな。
それよりも、召喚された瞬間に、「意識がマスターと一体化するから」という説明のほうがいいと思うんだけど。どうでしょう?
つまりサーヴァントはマスターの思考回路と記憶を経由して言葉を理解し、発する。いうなればマスターの脳みそをつかって情報処理するんだ。
だからセイバーも抵抗なくごはん食べられるのさ。
脳みそだと本当に一体になっちゃうから、じゃあ「マスターの魔術回路を使う」というのでもいい。
とにかく、この方が説得力あるんでないかい?

ところで3つのストーリーのうち、どれかでセイバーが救われる道があるのかと思いきや、やればやるほどセイバーの扱いが悪くなる。
これは不満だ。納得いかない。
最初の章でのセイバーの結末、確かに「正義」っぽい結末だけども、あれではあまりに切な過ぎる。
あれに関してはいまだに不満がある。
いくらHollowで士朗といちゃいちゃしようが、やっぱり納得いかない。

確かにセイバーはあのまま残ってはいけないだろう。そのまま残って士朗と幸せに・・・。それはだめだ。それでは陳腐すぎる。それは俺も許さない。
でも何か他の方法で解決させることはできなかったのか。
極端な話、士郎がセイバーと一緒に過去に戻るというほうがまだ、あのエンディングよりも精神的に救われるのではないだろうか。

そうだよ、士郎がセイバーと共に過去に戻るんだ。これ、いいじゃないか。
「じゃあ俺はこれから、セイバーのために生きる。セイバー、俺も連れて行ってくれ」
そしてセイバーと一緒に、古のブリテンへ。
実は「円卓の騎士」の一人は士郎だったとかさ・・・・。
ランスロットの本名はシロウだったとか。
シロウ→ランシロウ→ランスロット となった、とか。
こんなのでもロマンがあるじゃないか。
尤も、ランスロットじゃ具合悪いな。言ってみればランスロットはアーサー王を裏切るわけだしな。

とにかく、そういうパターンがあっても良かったんじゃないのか?
そのストーリーの筋ではアーチャーは実は、そうやってセイバーと過去に戻り騎士として活躍し英雄になった男だった、ということでも良い訳だし。

最後の桜ルートなんかもう、最悪だね。桜はひどい淫乱女だし、セイバーに至っては目も当てられない状態だ。
桜をあそこまで落として良かったのか。あれも納得いかないぞ。ちょっと可哀想過ぎるじゃないかよ。

物語り全体の斬新さというか、スケールのでかさで圧倒され、また遠坂凛とかアーチャーとかいるから総合的に見て一応評価を高めにしてはいるものの、本当はストーリーにものすごく不満があることも確か。
寝るのも忘れてプレイしたんだから、それだけ感情移入と時間の投資を行ったわけだから、救われる道をひとつぐらいは用意して欲しかった。

確かに救われない作品も他にはある。このサイトでよく引き合いに出すAIRのように、結局主人公とヒロインが死んじゃうのも確かにある。死んじゃって、それでハイ終わり、と全く救いようのない結末になっている。
しかしあれは泣きゲーだ。
「これでもかっ」と読者を泣かすために彼等は死ぬんだ。
でもFateは違うだろう。泣きゲーではないはずだ。そういう物語ではないはずだ。
Hollowで別結末があるかと期待したけど、それもなかったし・・。

今後、何らかのけじめを要求する次第であ~る。

Fate/stay night アニメ版

そう。アニメ版、曲は良いです。disillusionも最高です。同じ曲なのに、編曲だけでこうも変わるものかと思います。
戦闘で流れる曲やセイバーがらみの曲も(「群雄失踪」「騎士王の誇り」など)、実に雰囲気出ています。作曲者も「ケルトっぽくということなのでその路線で」みたいな事を言っていますが、確かにそうですね。むしろケルトじゃなくて、もちょっと近代に近いアイルランドっぽいような気もするけど、まあその方面の専門家ではないのでわかりません。とにかく、状況設定に本当にマッチした音楽になっています。

物語としてはゲームで3つあった結末を上手く混ぜた上で、セイバーの章、Fateに近い形で締めくくっています。セイバーがいなくなってしまっても、「どこかでまだつながっている」と士朗に言わせているため、まだゲームよりは救われてます。桜の扱われ方だけでも救われてますしね。

ただ、複雑な状況設定(マスター・サーヴァントや各サーヴァントの役割、聖杯とは何なのか云々)等、正直アニメだけでは説明不十分になるかもしれないと思います。でも俺もアニメとゲームが同時だったけどわかったから、まあ問題ないってことなのかな。

きれいな映像。制作はスタジオディーン。まあ、有名なとこですよね。なかなかきれい。アクションシーケンスなども、よくまとめた。ゲームの2次元的世界に深み・奥行きを持たせてくれる。それに音楽も手伝って、良い作品にまとまっている。

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