planetarian -ちいさなほしのゆめ [Key]

短編ノベルの逸品。というか名作。数時間で読み終えられる。このジャンルをやったことない人、知らない人には、すぐ読み終えられるからお勧めします。
こんなに短いのに、こんなにも涙を誘う。 こんなにもいろんな感情が混ざり合う。 優しさ、安らぎ。 感嘆。畏敬。 悔しさ、やるせなさ。憤慨。 絶望。 希望。
音楽も相変わらず素晴らしいの一言。 グラフィックも、とても美しい。

そう。ゆめみが言ったように、プラネタリウムはタイムマシーンだった。 単に星が見れるという意味だけではなく。 プラネタリウムの中だけは、まだ優しかった頃の世界が残っていたから。

ゆめみは、天国に行けたのだろうか。 今でも解説員をしているだろうか。天国の、本物の星空で。 宇宙を自由自在に操りながら、星座を指差しているのだろうか。 ・・それとも、メモリーカードの中で眠っているのだろうか。 目が覚めた時、また優しい人々に囲まれる夢を見ながら。

実は、これとなんとなく似た話を、むかしむかし、夢で見たことがある。 高校生ぐらいの時だろうか。中学生だろうか。もう気が遠くなるくらい昔の話だ。
SF小説のような、突拍子もない夢。でも、それなりに理屈も通っていて、それにインパクトのある夢だったので今でも覚えている。

それは自分が、エレベータのような乗り物を降りるところから始まる。 扉が開くと、明るい売店の中だった。 そしてそこは、どうやら宇宙ステーションの中の売店らしい。 それを夢の中にいる自分は、一瞬で理解する。 自分は、長い間宇宙飛行をしてきて、地球に戻ってきたんだ。 そして地球の軌道上にある、宇宙ステーションに到着した。そういう設定らしい。
売店は、小さなコンビニみたいになっていて、色んなものが並んでいる。 そして目の前には、ミカンだかオレンジだかのフルーツが、山のように積まれていた。新鮮なオレンジのつやが、照明の光を受けピカピカとしていた。
しかし、人がいない。 店員も、客も、誰もいない。
無人の売店。 無人の宇宙ステーション。 いるのは、自分だけ。
しばらくそのオレンジの山をながめていると、一匹、蝿が飛んできた。そしてその照明のスポットライトを浴びたオレンジの山の頂点にちょこん、と止まる。
その瞬間、全てを理解した。
地球は既に滅んでいるんだ。人類も滅亡している。
どうやって滅亡したのかは、知らない。しかしきっと、地球の表面まで行けば、全ては焦土となっているのだろう。
この宇宙ステーションだけが、昔のまま。
ヒトがいなくなっても、機械はまだ動いている。そしてこのステーションの中で果物や野菜を栽培し、収穫し、店頭に自動的に並べてる。古くなった商品は自動的に処分され、新しいものと入れ替えられる。 だから、店員がいなくても、客が来なくても、全て自動化されたこの売店は、もう来ることのない客のためにいつでも新鮮な果物を並べ、店内を清掃し常にピカピカの状態を保っていた。
そんな売店に立った自分。その一匹の蝿を見ながら夢の中の自分は理解するのだ。
「もう長い事、地球の生命は全て絶滅している。全て消滅している。生き残ったのは、この蝿と、そして自分だけなのだ」と。

そして目が覚めた。 機械だけが残った世界。
いつまでも機械だけが忠実に働き続ける、ヒトのいない未来。
プラネタリアンをやって、この夢を思い出した。

(実はこの夢、その続きを、別の日に見ている。人類最後の人間になってしまった俺。誰もいない宇宙ステーション。そこで、人類の未来と夢をかけて、俺はあることを試みる・・。 このお話は、いつか、ビジュアルノベルにして世に出すつもり・・なんですよね、一応。)

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