自転車泥棒 (1948)
巷では名作と言われている訳だが・・。
まあ、良い映画だとは思うが、名作と言うほどなのだろうか。
最後の10分は、名作と言ってもいいだろう。
しかし、そこに到達するまでのペースが、ちょっと気に入らない。
正直、見ててちょっとイライラしたんですけどね。
気持ちはわかる。
痛いほどわかった。
自転車を盗まれた。
自転車がないと仕事ができない。
仕事ができないじゃないか!
折角見つかった仕事なのに!
折角給料が入る事になったのに。
残業手当も出るんだぜ。
おい、ブルーノ、お父さんの言うとおり、ちょっと書き出してみてごらん。
まず、12,000でしょ。
それに、そうだ。家族手当だって出る。
毎日800だ。
ちょっと計算してごらん。
月にしたら、いくらになるんだ?
もしかして、結構な金額になるんじゃないのか?
おいちょっと、贅沢できるかもしれないぞ!
わくわく。
それなのに。
くそう。
妻が、シーツを質に入れてくれてやっと手に入れた自転車なのに!
重みが違う。そんじょそこらの自転車とは訳が違うんだぞ!
盗まれたままで黙ってられるか!
絶対見つけてやる!
・・という感じなんだろう。その気持ち、手に取るようにわかるよ。自転車とはいえ、それはもはや貧困からの脱出、幸せの象徴、そして手段だもんね。
でもさ、老人から教会で情報入ったんでしょ?犯人の居場所。だったら
すぐ行けばいいのに。
別に、老人連れてゆこうとしなくてもいいじゃん。
早く行けばいいじゃん。
ああ、イライラする。
んで、最後の10分ぐらいがクライマックスです。
主人公、魔がさします。
そりゃ、そうだよ。
球戯場の駐輪場。
あんなに自転車がゴロゴロあるじゃないか。
たかが自転車じゃないか。
こんな、サッカー観戦しに来れるくらい、余裕があるんなら、
ね?
だってこっちは、生活かかってるんだよ。
君たちみたいに、レジャーで自転車乗っているわけじゃないんだ。
家族を養うために必要なんだ。
いいじゃないか、自転車ぐらい。
ちょっともらってったって。
こんなにたくさん、あるんだしさ。
一台ぐらい・・。
これは、主人公の言葉ではない。見ている俺の気持ちだった。実際そう思ってしまった。
自転車泥棒を追っていたはずなのに、
一瞬で、自転車泥棒になってしまった。
この時の、子供ブルーノ君の反応が、上手い。
絶望的なほど、悲しい顔をする。なかなか上手い。
それまでちょっと生意気だったんだよな。このガキ。でも、ここら辺で、親と子の立場が逆転するんだ。
泥棒をはたらいて、つかまって、周りにどつかれているおとうさん。そしてそれをかばう、子。
父を許す、息子。
子供に許される父。
この最後の10分間は、確かに名作なのだろう・・、しかし、このペース、なんとかならないものか。そう感じた。
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